女怪盗と探偵君




〈姫華side〉



不思議な夢を見た。




真っ暗な世界の中に私は燃え盛る炎に追いかけられた。




逃げても逃げても炎との距離は縮まるばかり。





そんな時に目の前に一筋の光りが現れて中から人が私に手をさしのべた。




シルエットで誰か分からないその人の手を私は必死に掴んだ。





手を掴むとその人が笑ったように見えた。




…目を開けると天井が見えた。




「あれ?さっきのは…夢?」




あまりに鮮明でさっきのは夢だったと気付くのに時間がかかった。