〈大和 side〉



横たわる天使を俺は見下ろしていた。




「ふぅ、また逃げられるとこだったぜ。」




昨日は邪魔が入って逃げられたっけな。



…にしても焦った~



格闘術のこと忘れてたわ。




「ま、とりあえず、報告っと。」




俺は落としたスマホを拾って耳に当てた。





…まだ、つながってるかな?





「もしもし…。」






「もしもし、どうしたの?急に声が途切れたから心配したわよ。」





「すみません、ちょっと色々あって。」





「ま、いいわ。それより、仕事は終わったの?」




俺はチラッと天使の方を見た。



…こいつ、使えるかも。




「…その事でちょっと相談があって。」



「何?」




「詳しい話は戻ってしますので、とりあえず迎え用意してもらっていいですか?」




「…分かったわ。すぐ向かわせる。」




「ありがとうございます。」




「いいわよ、それじゃ、また事務所でね。」





「はい、失礼します。」




ピッ





俺は電話を切った。






とりあえず、こいつどうにかしないと。




目の前で眠っている天使を抱えて俺は屋上を去った。