女怪盗と探偵君



「じゃ、じゃあ、私が怪盗ルパンだって証拠出してよ。」


「・・・」


私がそう言うと大和君は黙ってしまった。



…よし、証拠はない。



「ほら、ないんでしょ。」


勝ち誇ったように私は笑った。



「…お前が転校して来てすぐに怪盗ルパンが出た。…これは、たんなる偶然か?」



しかし、大和君はまた言及し始めた。




「ぐ、偶然に決まってるでしょ。」



「…昨日はどこにいた?」




こ、今度はアリバイ調べですか。





「…ずっと家にいた。」





もちろん、嘘だけど。




「昨日、怪盗ルパンが〇〇博物館に現れた。」




「…それで?」




「〇〇博物館はお前の家に近いよな?」




「だ、だったらなによ!」



思わず語気が強まった。




…そして、その勢いは止まらなかった。




「じゃあ、私が〇〇博物館で茶碗を盗んだった証拠だしなさいよ!」




そう言った瞬間大和君の口元が緩んだ。




「…なんで、〇〇博物館で茶碗が盗まれたって知ってるんだ?」


え?