窓際の君。

そんな子鹿みたいな顔で言われたら、嫌なんて言えるわけない。

「うっ…
仕方ない。私が出てやろう。
その代わり負けても、怒らないでね!」

とみんなに念を押して承諾した。

クラスのみんなが私に健闘を讃えるように、拍手をした。
おとなしく着席した私に、一条は

「これから、頑張ろうな」

とみんなに聞こえないように私に耳打ちした。
少年のような純粋な笑顔に呆れながらも、私もふいに笑顔になった。