「奏葉ちゃん、私が持つから貸して。まだ無理をしないほうがいいから」
鞄を強く引っ張られて驚く。
あの女にしては、珍しく口調が強い。
まさか彼女が対抗してくるとは思わなくて少し戸惑ったけれど、すぐに平静さを取り戻した彼女に渡すまいと自分側に鞄を引っ張った。
それでも、彼女は断固として鞄を離そうとしない。
どういうつもり――……?
そのときイラつく私の視界の端で、キラリと何かが輝いた。
それはあの女と私がつかむ鞄につけられた星のキーホルダーだった。
スマホが事故のときに道路に投げつけられてダメになってしまったいたから、とりあえずと思って鞄につけて置いたのだ。
窓から差し込む太陽の光を受けて反射するママの星が、あの女と私の間でキラキラといつも以上に眩しく輝く。
その輝きは、私に何かを訴えかけるママの声のようにも思えた。
ママは何を想ってる?
何を言いたいの?
キラキラと輝きながら揺れるママの星をじっと見つめる。



