あの女が去って行ったあと、私の手のひらの上でママの星がキラリと鈍い光を放つ。
その輝きを見つめながら、ふとあの女が父の再婚相手として初めて家に連れて来られた日のことを思い出した。
ひどく申し訳なさそうに、遠慮がちに玄関に立ったあの女は、父に促されてもいつまで経っても靴を脱いで家にあがろうとしない。
しばらく玄関に立っていたあの女は、家に上がる前に私と春陽に深く頭をさげた。
「みなさんが亡くなられた奥様を今も大切に想っていることを知りながら、祐吾さんを好きになってしまってごめんなさい」
父があの女を連れてきたことにひどく衝撃を受けたけれど、彼女のこの第一声にも愕然とした。
あぁ、あの女はそういう人だったな……
手のひらで光るママの星を見つめながら、私はひとり苦笑いした。



