父の寝顔をしばらく見つめていた私は、ベッドのそばで啜り泣く春陽とその横で彼女を励ます叔母を残して病室を出た。
病院の廊下をふらふらと歩いて、目的もなくロビーに向かう。
外来の時間も終わり、あまり待つ人のいない病院のロビー。
その端の椅子に腰をかけると、私はスカートのポケットから星のキーホルダーを取り出した。
鎖状のチェーンが壊れてしまったキーホルダー。
それをぼんやりと見つめていると、不意に人の気配がした。
はっとして顔をあげると、目の前に中谷さんが立っていた。
「月島さん、大丈夫そうでよかったです。私はこれで失礼しますね」
中谷さんが私に向かって丁寧に会釈する。
脱力して座っていた私は、慌てて姿勢を正す。
「すみません……」
座ったまま小さく頭をさげたとき、中谷さんの視線が私の手元に向けられた。
「それ……壊れちゃったの?」
中谷さんが星のキーホルダーを指差して首を傾げる。



