「私はお父さんの部下の中谷です。さっき親戚の方に月島さんの事情をお電話でお話しました。月島さんの妹さんがすぐにこちらに向かってくださるみたいです」
スーツ姿の女の人は父の会社で、倒れた父に今まで付き添ってくれていたらしい。
叔母がすぐに来てくれると聞いて、ほっとして頷く。
「ありがとう、ございます……」
親切にしてくれた中谷さんにやっとそれだけ伝えると、彼女が小さく首を横に振った。
「今、先生が病室で月島さんの診察をされてて……」
中谷さんがそう言いかけたとき、病室のドアが開いた。
そこから出てきた医師と看護師が、私たちに気づき軽く頭をさげる。
「月島さんのご家族の方ですか?」
頷くと、医師がそばにいた看護師に何か指示を出した。
彼のそばで頷いた看護師が私と春陽に近づいて来て優しく話しかけてくる。
「お父さんの状態についてお話できる大人の方はいる?」



