一秒でも早く教室を出ようと急ぐ。
慌てていた私は、中学生だった当時スクールバッグにつけていた星のキーホルダーが机の横の鞄をかけるフックに引っかかっていることに気づかなかった。
スクールバッグを強く引っ張ると、背後でバチっと音がする。
驚いて振り返ると、キーホルダーの鎖状のチェーンが千切れて星のモチーフが教室の床に転がり落ちていた。
「あ……」
唇から掠れた声が漏れる。
嫌な予感がした。
床に転がる星のキーホルダーを見つめたまま、私の動きが止まる。
「月島」
テスト中の静まり返った教室。
そこにいつまでも呆然と立ち尽くす私に担任が声をかける。
名前を呼ばれてはっとした。
そうだ、早く行かなければ……
担任の声に急かされて、震える手で星のキーホルダーを拾う。
それを制服のスカートのポケットに突っ込むと、早足で教室を出た。



