眼鏡を掛けた温厚そうな眼差しをしており、笑顔も穏やか。
親切で人が良さそうだ。
久々に会うカオルさんは相変わらず綺麗で、祐吾さんの隣でにこにこと幸せそうに笑っていた。
一年前カオルさんが見せていた、悲しい表情の欠片はどこにもない。
連れ子との仲もその後上手くいったんだ。
俺は安心して、親父や母さんと話すカオルさんの顔を見つめた。
親父や母さんは、しばらくカオルさんや祐吾さんと話した後、車で帰って行った。
親父達もアメリカに発つ準備で忙しいらしい。
「真宏くん。今日からはここを我が家だと思って、遠慮なくくつろいでくれていいからね」
親父達が帰った後、まだ残ったお茶やお菓子を食べながら祐吾さんが俺に言った。
「ありがとうございます」
俺は頭を下げるとにっこりと笑う。
祐吾さんは実際に話してみると、見た目どおり優しくて、カオルさんのいるこの家はとても居心地が良かった。
「そう言えば、まぁ君にちゃんと家族紹介してないわね」
カオルさんがそう言って微笑んだ。
そして、祐吾さんの後ろに立って彼の肩に両手を軽く乗せる。



