「なんで……?」 胸に湧き上がるのは、もやもやとした疑問と苛立ち。 どうして奏葉は蒔田と一緒にいるんだ? こんな夜中に、バイクでどこへ出掛けるんだ? 俺の頭の中で、奏葉のはにかんだような笑顔と蒔田の背中にしがみつく奏葉の姿が何度も繰り返し蘇る。 まさか――…… 嫌なことを想像してしまって、ぎゅっと唇を噛む。 手の平で拳を作ると、俺は苛立ちに任せて傍にあった家の外壁にそれを思いきり打ちつけた。