本当にバカみたいだ――…… 目の前で浮かれて笑う春陽を見つめながら、無情にもそう思う。 茉那にしろ、春陽にしろ、どうしてそう簡単に人を好きだと言えるのだろう。 どうせ他に魅力的な誰かが現れれば、その感情はその“他の誰か”に向けられてしまうくせに。 パパがママを忘れてあの女を好きになったみたいに。 その気持ちは簡単に変わる。 ママもそう思うでしょう――……?