きらいだったはずなのに!


 素直じゃないけど可愛いよね、ミヤコちゃん。


「なんのこと? あたしがハンバーグ食べたかっただけだもんねー!」


 なんでお礼を言われたのかなんて、わかってる。


 あたし、甘いものは別腹って感じでいくらでも食べられるんだけど、どちらかというと少食だ。


 お昼のお弁当だって、あたしはミヤコちゃんの半分以下だし。


 いや、ミヤコちゃんが普通の人よりよく食べるってだけなんだけど。


 ミヤコちゃんはそれを気にしてなのか、クレープを食べに行くのには誘ってくれるけど、ご飯には誘ってくれたことがない。


 休みの日に遊びに行くときだって、お昼食べてから集合とかで。


 だから、あたしからもなんだか誘いづらかったんだ。


 最近はカテキョあったり補習あったりで全然ミヤコちゃんと遊べてなかったし、今日はその埋め合わせも兼ねて誘ってみたわけなんだけど。


 ほかの人からしたらわかりづらいかもしれないけど、ミヤコちゃんはかなり喜んでいるみたいだし、もっと早くにあたしから誘っておけばよかったなあなんて思った。


「ミヤコちゃんっ! あたしたぶん全部食べらんないから、半分食べてね?」


「……うん」


 小さく頷いたミヤコちゃんに微笑んで、しばらく歩くとミヤコちゃんの言っていたファミレスの看板が見えてきた。


「茉菜、あの店」


「ふふ、わかってるよー!」


 嬉しそうに目をキラキラさせて話す姿が可愛くて思わず笑うと、きつく睨み返されちゃった。


 普段はツンデレクールなお姉さんって感じなのに、意外過ぎて笑わずにはいられないよね。