追加課題って、なにそれ。


 きょとーんとしているあたしの前に出されたのは、プリントの束。


 いまだについていけずに、担任の顔とそのプリントを見比べるあたしの手の上に、それがどさっと落とされた。


「なにこれ、重っ!」


 こんなの聞いてない。


 というか、追加課題ってあたしだけ?


「お前が頑張ってることは先生もよーくわかってる。だけどな、考えてもみろ。杉浦、今までどれだけひどい点数叩き出してきたと思ってるんだ?」


「う……っ!」


「先生方もな、さすがに夏休み全補習にするのはかわいそうだからって、今回のお前の伸びを見て、課題プリントやってくるならってことで補習免除になったんだぞ」


 そうですか、そうですか。


 つまりあれだね、プリントやらなきゃ必然と夏休み補習なわけね。


 先生、そんな「プリントやるの? やらないの?」みたいな目で見なくても、答えなんかわかってるだろうに。


「ぜ、ぜひやらさせていただきます……」


 項垂れながら言ったあたしに、担任は満足げな笑みを浮かべて去って行った。


 残されたのは、大量のプリントと絶望するあたし。


 そして、ほぼないに等しい夏休み。