きらいだったはずなのに!


「逆に桐島さんが機嫌悪いんじゃないですか。なんかありました?」


 そう聞くと、更に眉間にしわを深く刻んだから、もう怖くてなにも聞けない。


 というか無駄話はいいから、ちゃんと勉強教えてよ。


 これ以上地雷踏みたくないから、なにも言わないけど。


「ちょっと待て。勉強ストップ。その手を止めろ」


「はい?」


 桐島さんを無視してノートにペンを走らせていたら、そんなことを言われた。


 あの、一週間後に期末あるからほんとにやばいんですけど。


 ていうかあんた仮にも教師なんだから、勉強教えてよ。


 ストップじゃないし。


 内心で悪態をついているあたしなんて知らず、桐島さんは無理矢理勉強を中断した。


「おまえ、なんで今日そんなに静かなの。この間のテスト、悪かった? そろそろ返ってくる頃じゃねえの?」


「あ、ああ。忘れてた。はい、今日返ってきましたよ。これです」


 スクールバッグに入った折りたたまれている用紙を取り出して、桐島さんに渡した。