きらいだったはずなのに!


「……なんかおまえ、機嫌悪い?」


 勉強開始早々、小首を傾げた桐島さん。


 そういう可愛い仕草も違和感なくて、正直女のあたしより似合うかもっていうのがムカつく。


 かっこいいとなんでも絵になるから、悔しい。


 っていうか羨ましい。


 ……いや、そうじゃなくて。


 なんでこの人は、小さい変化にいちいち気が付くのかな。


 機嫌悪いわけではないけど、正直、胸のあたりがもやーっとして気持ち悪い。


 なんでなのかはわかんないけど。


 機嫌悪いというより、気分が良くないのかな。


「別に、なにもないですけど」


 まあ、そういうしかないよね。


 原因なんて自分でもわかんないし、機嫌は悪くないんだから。


 だけど、そう言った直後、なぜかあたしをギロリと睨みつけてきた桐島さん。


 ちょっと言い方が冷たかったからなのか、なにか気に障ることをあたしが言ったのかわからないけど、ものすごく機嫌悪そうにしてる。


 というか怒ってる?


 桐島さんの怒りスイッチがよくわからない。