きらいだったはずなのに!


 おばちゃんの手元を見ながら、今日一日のことを思い出す。


 面白いことではないけど、今日はとっておきの話題がある!


「今日はね……」


「茉菜がテストで初の平均以上とりましたよ」


「ちょっとおおおお!?」


 あたしが話そうとしたのを遮って、ミヤコちゃんが澄ました顔であたしの代わりに話してしまった。

 
 あたしが言いたかったのに!


「あら~! よかったじゃないっ。じゃあ今日はそれを記念して、アイスとフルーツ足しとくわね!」


「えっ、いいよ! 平均以上って言ってもぎりぎり上くらいだったし、おまけつけてもらうのは……」


 そうは言うけど、アイスに果物プラスってすごく食べたいかも。


 いやいや、でもおばちゃんに悪いし。


「遠慮しないで? 茉菜ちゃんは常連さんだものね! ミヤコちゃんにはおまけでドリンク付けるわね? みんなには内緒よ?」


 ふふ、と笑ったおばちゃんはあたしの心を読み取ったのか、断りの返事も聞かないでさっさと焼きあがった生地にどんどんと果物をのせていく。


 わお、超豪華。 


 これでもかっていうほどのクリームにフルーツ、メインのチーズケーキ。


 最後にベリーソースがかけられて、クレープが巻かれていく。


 紙に包まれたあと、上にバニラアイスがのせられた。


 今まで見たことのない、スペシャルなクレープが完成した。