きらいだったはずなのに!


「ま、いろいろ愚痴は聞いてたけど。仲よさそうみたいだし、テストで点数もとれてきたみたいだし。よかったじゃない」


「いやいや、仲良くはないからね? あたしのことバカにしてくるし、教科書で頭叩いたりもするんだから!」


「……茉菜がバカなのが原因よね、たぶん」


「うっ、そうですね、たぶん」


 なんて会話をしながら、お弁当に残ったおかずの最後、卵焼きを口に運んだ。


 うん、おいしいっ。


「……浮かれすぎてにやけてると、家庭教師のなんとかさんにまたバカにされるわよ。あとその顔、気持ち悪いし」


「な……っ!」


 これは、卵焼きがおいしいから笑っただけなのに。


 そりゃ、テストの点数もちょっと、いやかなり嬉しいけど。


 今なら飛べるんじゃないかってくらいに舞い上がってるけど!


 というか、顔が気持ち悪いってただの悪口だよね。


 でも、今はそんなミヤコちゃんの言葉も笑って流せちゃう。


 桐島さんに会ったら、すぐにこの答案を見せてあげよう。


 でもきっと、彼はこう言うんだろう。


 『まだまだだな、おバカさん』って。


 そんなことを予想しながら、残りの休み時間をミヤコちゃんとゆったり過ごした。