「俺的にキスもアウト。ハグくらいかな」
「まさかのハグ止まり!?」
まさかすぎて思わず大きな声が出た。
今どき中学生でもそんな清い交際してないって!
「しょーがねーだろ。おまえまだ未成年なんだから。それに、しちゃったら止められるかなんてわかんないし、その先までしたくなるかもしれないでしょ」
自分で言っておいて赤くなってる桐島さんにつられて、あたしの顔も熱くなっていくのを感じる。
「桐島さんって、あたしが思ってる以上にいろいろ考えてるんですね。……ちょっと難儀ですね」
「おまえ、俺の努力を水の泡にするようなことしてくんなよ?」
「たとえば?」
「たとえばって、おまえはまたー……」
はあ、と大きなため息を吐くから、もくもくと白い息が周りを覆って一瞬だけ桐島さんの顔が見えなくなる。



