きらいだったはずなのに!


 あたしはこんなにも桐島さんのことが好きで、隙あらばいちゃいちゃしたいと思うのに!


「ぶっちゃけ、あたしを女と思ってないでしょ? だからそんなこと言うんだ!」


 憤慨して言うあたしに、不敵な笑みを浮かべた桐島さんにドキッとする。


「教師って言っても、俺だって一応男なんだけど? この意味わかる? おばかさん」


 そう言って桐島さんはあたしの顎をそっと持ち上げ、ずいっと顔を近づけてきた。


 その距離わずか三センチ。


 いつもと違うオスっぽくて色っぽい綺麗な顔が至近距離にあって、少しでも動いたら触れ合っちゃいそう。


 ……桐島さん、本当にいろんな顔を持ってるな。沼りそう。


「な? わかっただろ。これに懲りたら……」


「桐島さんって、ほんと顔整ってますよねえ」


 正直、こんなに綺麗な顔の男の人といままで出会ったことがないから、ここぞとばかりに桐島さんの頬を両手で包むように触ってまじまじと見つめる。


 近づいてきた桐島さんが悪いんだしっ!


「だ・か・ら! そういうのがだめだって言ってんの!」