「これも桐島さんのおかげね」


「まあそれもあるけど、一番はあたしのがんばりでしょー!?」


「一番は根気よく教えてくれた桐島さんだと思う」


「……そうかなあ」


 少しくらいあたしのことを褒めてほしいけど、実際桐島さんによるところが大きいってのは自分でもわかってる。


 なにせ週四日、各二時間半だ。


 理解力が乏しいあたしにここまで密着指導できるんだから、桐島さんの精神力はただものじゃない。


 夏休み明け、課題をちゃんと理解しているかチェックするという名目で確認テストが行われた。


 もちろんそれも進級に大いに影響するもので、周りは相当カリカリしていたと思う。


 いままでテストといえば赤点、赤点といえば杉浦茉菜なんて不名誉な称号を与えられていたあたしだったけど、今回見事に全赤点回避で先生たちから驚かれたのは言うまでもない。


 これにて不名誉な称号を脱却だ!


 とは言っても所詮は平均点止まり。


 これまでと比べたら雲泥の差だけど、まだまだこれからといったところだ。