きらいだったはずなのに!


「ごめん、待たせた?」


「わっ、桐島さん……っ!」


 なんか今日は後ろから声を掛けられることが多くてひやひやする。


 いまの会話、聞こえてなかったよね?


 見る限り気にしていなさそうだし、大丈夫か。


 ほっとして胸を撫で下ろす。


「飲み物だけあっちの自販機で買ってきたよ。ふたりともスポドリでよかった?」


 そう言う桐島さんと悠斗の手にはドリンクが二本ずつ握られていて、桐島さんがあたしの手にそのうちの一本を渡してくれる。


「ありがとうございます……っ!」


「どういたしまして」


 そう言った桐島さんは意地悪っぽい笑みじゃなく外向けの綺麗な笑顔で、それを間近で見慣れていないからどぎまぎしてしまう。