きらいだったはずなのに!


「都ちゃんのこと、話に聞いてるよ」


 きらきら王子様モードの桐島さんは、優しくミヤコちゃんに話しかけている。


 いいなあ、あたしなんか呼ばれるときほとんど『おまえ』なのにさ。


 それでもと気を取り直して、ふたりの間に割って入る。


「あのっ、桐島さん。今日は来てくれて——」


「あれ、兄ちゃんもいたんだ」


 あたしが言いかけたのを遮るように、悠斗の声が後ろから響いた。


「は? 悠斗?」


 そして桐島さんの視線はあたしを通り越して、いつの間にか真後ろに立っていた悠斗へと注がれる。


 お互いの言葉に少しだけ棘を感じて、なぜか一瞬だけピリッとした空気になった気がしたけど、思い過ごしかもしれない。