ミヤコちゃんと軽い言い合いになっていたそのとき、肩をぽんと叩かれる。
「お待たせ。っていうかなに喧嘩してんの」
後ろを振り返ると、いつも軽くワックスでセットされている髪の毛は今日はサラサラのままで、黒いTシャツに白いハーフパンツを合わせた姿の桐島さんが立っていた。
かなりラフな格好だけど、顔が整ってるとなんでも似合うらしい。
初めて外で会う桐島さんはいつも家で見ている桐島さんと同じはずなのに、太陽の光も相まって一際きらきらして見えた。
本当は桐島さんが来る前に、もう一度服装とか前髪のチェックをしたかったのに……。
ミヤコちゃんのせいでーっ!
いそいそと手櫛で髪を整えている間に、ミヤコちゃんと桐島さんはあたしをそっちのけで挨拶を交わしてる。
「初めまして、中里都です。今日はありがとうございます」
「桐島です。今日はよろしく」
桐島さんはいつものいわゆる『営業モード』だ。
だけど、やっぱりかっこよくて緊張する。



