——そうして少しずつ悠斗からフェードアウトしていくはずだったのに、どうしてこんなことになっているんだろう。
天気は快晴、相変わらず蝉はみんみん、外はむしむし暑いけど、絶好のお出かけ日和にふさわしい夏休み最終日の今日。
白いワンピースに、五センチの天色のヒール。
今日の為にと買ったばかりのそれらを身に着けたあたしがミヤコちゃんと一緒に待ち合わせ場所のプールの最寄り駅に着くと、そこに桐島さんの姿はまだなくて、代わりにまだ見慣れない姿の悠斗が立っていた。
人気の少ない駅だから、金髪で長身の悠斗の姿はとても目立つからすぐにわかった。
へんぴと言っちゃあなんだけど、こんなところで偶然出くわす確率なんてないに等しいものだ。
いるはずのない人物に驚いて、あたしは声も出ない。
そう思っているあいだに悠斗はあたしたちの姿に気が付いたみたいで、なぜかこっちに近づいてくる。
「……おう、久しぶり」
そう言って後ろ頭を掻いた悠斗に狼狽える。
「お久しぶりね」
「えっ、いや、えっ?」
戸惑うあたしにかまうことなく、ミヤコちゃんは平然と悠斗にそう返した。
……これは、はめられた。



