きらいだったはずなのに!


 あたしのことを諦めてほしい、なんていまさら言えるわけがない。


 だって悠斗はいままでの距離を埋めるみたいに、あたしがどれだけ冷たく返事を返しても小さな会話を重ねてくれる。


 勝手にしてって言ったあたしの言葉通り、悠斗は頑張ってくれているんだと思うから。


 それでもきっとこれはあたしのわがままで、本当はきっぱり断った方がお互いのためになるんだろうってことはわかってる。


 それができないのは、あたしに傷付く勇気と傷付ける勇気がまだないからだ。


 悠斗に冷たく接するのは、いまのあたしにできる精一杯の『お断り』の合図。


 意気地なしのあたしは、悠斗が諦めてくれるのをそうやって待っているんだ。