きらいだったはずなのに!


 ……そう、思いたいのに。


 あたしの心が、桐島さんに向かっているのは事実だと思う。


 そうだとしても、考えずにはいられないんだ。


 あたしは、桐島さんだったから好きになったのかな、って。


 それとも、悠斗に似ていたから無意識に惹かれたのかな、って。


 そうだとしたら、自覚したこの気持ちは、ほんとに桐島さんだけに向いているものなのかな、って。


 せっかく好きだと自覚したのに、まさかこんなに悩むことになるなんて思ってもなかった。


 前までのあたしは好きなものは好き、嫌いなものは嫌いって、もっとはっきりしていたはずなのに。