けど…

「…じゃあ、どーしろって…っ!」


「綺麗ごと言ってないで、別れなよ」

アタシの悩みをバッサリ切り捨てた…


「怖いって…

向き合うのが?
傷付けられんのが?
理解してもらえないのが?

それだけじゃないよね?

最低な自分を認めんのが怖いんだよ!」




その言葉に衝撃を受けた…!



わかってても目を瞑って来た…

もうひとつの本音。



セージから解放されたい!

そしてナオとやり直したい…


たとえ誰かを、
セージを絶望に追い込んだとしても…



セージを救いたいのは本音だ…

だけど、この感情も本音なんだ。



アタシは…

受けた傷はずっと赦せないって…

与えた傷は早く赦されたいって…


もがいてたんだ。



勝手で偽善者な自分を思い知らされて、
情けなくて顔を覆った。


マユキはその覆う手を解いて、アタシを
まっすぐに見つめた…


「責めてんじゃないよ、咲陽…

人は機械じゃない、
完璧なんてありえない…
むしろ汚くて、残酷だよ。

だけどその中で変化して成長してく…
それでいんじゃないの?」