Stray Love II 〜ナミダの軌跡〜

「尚さん、最初ん方は軽くあしらってたけど、あのガキしつこくてさ…

しっかり拒否し始めたら、とうとう石井さんに手ぇ回されて…

石井さん、尚さんの事スゲぇ気に入ってたからその気んなって…
"芽美を頼む"的なカンジでさ…


石井組は親会社だし、H(県)じゃ3本の指に入る大御所だし、揉めるワケにはいかねーだろ?」


「それで付き合ったのかっ!?」

「俺だって納得いかなかったよ!」


アタシの驚きの声を、大きめの声で制するリュウ。


「けど…」

その時を思い返すような瞳で語った。






「尚さん!こんなんおかしいッスよ!
俺、アイツ(芽美の脅迫)黙らせて来ます」


「どーやって黙らせんだよ?」

苦笑いの尚。

「別にいーよ、オレは…
あのコが飽きるまで付き合ってやるよ」


「…

飽きなかったら、どーするんスか?」


「…

それでもいーよ…」

視線を落として、切なげに続けた…

「オレ、この先誰と出会っても…

咲陽以外のオンナに惚れないって、断言
出来るんだ。

だったらオレの人生、仕事にくれてやるよ…
この決断は、会社の為にはベストだろ?」