12月下旬に差し掛かった。

付き合いの多いセージは、この頃は忘年会で忙しい。


そして今日も…

いつもはセージを待って一緒に帰るけど、今日は1人で帰ろうとしてると…


「あれ、リュウ…
どーしたんだ?
セージなら、今日は忘年会だけど…」


「知ってるよ、サヤに用だし」

そう言って、ドカッと応接スペースに座り込む。


事務所には、他に誰も残ってないけど…
あんま二人きりで居たくない。

余計な誤解を招きたくないから。


「なんだ?
急ぐから手短かに頼むよ」


リュウは意味深に強い視線を向けて…

「最近どしたァ?

元気ねーし、目が死んでる」


「…!

…疲れてるだけだよ」


「ふ〜ん…

この前気になったけどさァ、
足のアザどした?」


セージに蹴られたトコだ…!

「…コケただけだよ。
つか、そんな事聞きに来たのか?」


「まーな…

もしかしてサヤもキツイ目にあってんのかと思ってな」


サヤも?

「"も"ってなんだよ!?」