「違うよ…

セージを救いたい」

ぎゅっと手を握って、訴えるように見つめた。


その気持ちは嘘じゃない。



セージの辛さは、嫌ってほど解る。


中身を見てもらえないと思ってた辛さ、

愛を信じた相手に切り捨てられる辛さ、

同情かと疑って信じられなくなる辛さ。


セージはアタシだ。


その辛さに苦しんだアタシが、同じ辛さを味わせるなんて…


だけど、その辛さが解るからこそ…

罪滅ぼしや責任感じゃなく、
純粋に救いたいって思う。


ただ…

痛くないワケじゃない、
怖くないワケじゃない、

そして、この現実が悲しくないワケじゃない…


だからって、
セージの前で涙は見せらんない。

アタシは心で泣き続けた…



でも逃げたくない…


この現実に負けたくないんだ。





ナミダは…


その姿を隠して…




さめざめ…




さめざめ…




心ん中に降り注ぐ…





溜まった涙の洪水に溺れそうなほど…