ー「いーから、甘えとけって」

「一途で、頑張り屋で、人を察する事が
出来るコで…
気がついたら、思いっきり惹かれてた」

「よーし、いい子だ!」

「なんかヨチヨチ歩く姿がさ、不器用だけど一生懸命頑張ってる咲陽みたいだ。
でもって、可愛いしな!」

「水槽に溶けてくみたいにキレイで…
捕まえたくなった」

「いーよ…
そんなの捻り潰すくらい、会社大きくしてヤルよ」ー




セージ…っ



セージとの思い出が心に広がる…




「ごめんな…セージ…」

歩み寄って、ぎゅっと抱き包んだ。


「違うんだ…
今のは…体調が悪かっただけで…

けどさ、思い出したよ…

セージとの楽しかった日々を…」


泣き崩れてたセージが、顔を上げて切なそうにアタシを見つめる…



「セージの側に居る…」

その頬に触れて、微笑んだ…



愛されてると思ってたのに切り捨てられる
その辛さが痛いほど解るから…


セージと別れられない。




これでいんだ。


だって…
ナオを守る事にも繋がるから。