「…

ねぇ、咲陽は…
F(県)戻らないの?」


セージとの事や、アタシの決断を知ってるマユキは…

ここに残る意味がないって思うよな…


「アタシはまだ…
こっちで頑張ってみるよ」


たとえ会わなくても…

ナオの近くに居たいんだ。


もし、偶然が許されんのなら…

それだけで十分だから。




とりあえず、荷物整理で忙しいし…

しばらくはホテル暮らしだな。



まったくトモのヤツ…

いつもイイトコ取りだよな!



その夜、親に電話してマユキのフォローをお願いした。

親はむしろ喜んでたから、安心した。


「向こう着いたら、とりあえずアタシの親に顔出してくれるか?

でもって、心配だから時々 様子見てほしんだ…」

マユキは気ィ使うだろーから、あえてそう言った。


なのに、ため息をついて…

「…

おせっかい親子ね…

わかった。
アンタの代わりに親孝行モドキさせてもらう」


お見通しってカンジだな…