目を開いたナオは、いつものナオで…

拳を下ろしてアタシに近づくと、握ってたナイフを取り上げて投げ捨てた。


「走るぞ…」

そう呟きながらアタシの手を引き、その場を後にする…




まだ心がざわついてたけど…



嬉しかった。



助けに来てくれた…


また、ナオが守ってくれた…





ある程度走って大通りに抜けた所で、足を止めた。


呼吸を整えてると、

「ヘーキか…!?」

確かめるみたく、顔にかかる髪を除けるように撫でるナオ。


乱れた呼吸を更に詰まらせる行動に、
黙ったまま頷いた。

途端に…




ナオがアタシを抱きしめた。




ぎゅっと、ぎゅっと…


ぎゅっと強く…



「無事でよかった…」

噛み締めるように、零された言葉。




胸が、ありえないくらい締め付けられて…

止めらんない想いが悲鳴をあげて、身体から飛び出しそうだ…


愛しくて、もう愛しくて…
しがみつくように抱きついた。