ただ…


「事実を知った順番が違ったら…
ヘーキじゃなかったかもな…」

最初の頃に知ってたら、ナオとは関わんなかったハズだ…

だからナオは隠してたんだな…


「…

なるほどな…」

ため息を吐くように、煙を吐き出すトモ。


「俺はな、尚の決断には賛成だった…

別に他探せばいくらでもいんだろーし、
何もこんなややこしい相手じゃなくていーだろって…」


「だから、
前聞いた時は教えてくんなかったのか?」


「あー、あん時は…
尚が帰ったっつーのもウソだ。

お前らを関わらせたくなかったからな」



な〜にィ〜!

フざけんなよ…!



そー言えば…

ー「ワリんだけど、尚の事…
そっとしといてくんねぇか?」ー


「そこまで(関わんの)拒否んなくてもいーだろ!」



トモは訴えかけるような瞳で、アタシを
見つめた。

「アイツが潰れたからな…」

「…潰れた?」


トモは、ビールを飲み干して続けた。


「ガキん頃から知ってっけど、
初めて見たよ…あんなアイツ。

龍の話じゃ、仕事も手に着かねぇぐれぇ
日に日に潰れてって…

見てらんねかったらしい」