Stray Love II 〜ナミダの軌跡〜

「尚は、お前ん為に身を引いたんだ…」


どーゆー…事だ?


「アイツが関わってたっつー事実は…
あの日を思い出させて苦しめんだろ?

一緒に居る限り、ずっとな…」


「だったら最初から…!」

「あんだけ取り乱した姿見たんだ。

それで傷の深さ、思い知ったんじゃねぇのか?」


アタシの疑問を打ち消すように、続く言葉を掻き消した。



「あの時は誤解してたから…!」

「だとしても!

それほど(取り乱すほど)の傷だって事に
かわりねーだろ?」


再び打ち消されて、言葉に詰まる…


「それにな、俺からすれば…

そん時はヘーキでも、お互い好きになればなるほど、その事実が苦しくなる時がくんじゃねーかって…」



そう…なのか?


だとしても…!



「だいたいサヤオは、
尚に…惚れた男に見られてた事実…
ヘーキなのか?」

そう投げかけて、タバコを吸い始めた。



言われてみれば…


だけど、先にナオが犯人だと思ってたから…
その後の事実は逆に救われたくらいで、
深く意識してなかったけど…



それにアレを見て、ナオはアタシの事を…