Stray Love II 〜ナミダの軌跡〜

咲陽の誕生日。

今のオレには、何も出来ないけど…
"おめでとう"くらいは伝えたかった。


去年は空白の時間だったから、絡めないのは当然で…
けど今はダチだし…

この前の電話で、途中から様子がおかしかったのも気になるし…


電話をかけたい!


そう思ってた時だから、咲陽からの着信に驚いた。


だけどもっと驚いたのは…



実家に帰ってるって事だ!



ずっと気になってたし、心配してた。


だから嬉しかった!
すごく…すごく…



ちゃんと過去と向き合って、失った時間を取り戻そうとしてる咲陽に…

目頭が熱くなるほど、心を打たれた。



そんな状態だったから、その続きの言葉はますます意味わかんなかったけど…

なんで咲陽の母さんがお礼?ってカンジ
だったけど…

とりあえずOKした。



緊張の中、軽く自己紹介を終えると…


「成人式の写真、見ました。
とても良かったわ…

咲陽の事、大事にしてくれてありがとね」


成人式の写真、持ってったんだ!?

「いえ、オレは全然…」

大事どころか、傷つけてばっかなのに…