同じ傷を抱えた者同志って…

心が通いやすい。



ー「……命日」

「親のか?」ー

黙り込んだマユキ。



アタシがマユキの心を解きたかったのに、こんなあっさりトモに…


マユキが救われたんだとしたら、嬉しい。

けど…


アタシが救いたかったな…





蕎麦を奢ってくれたトモは、

「来月そっち(H県)行くから、そん時旨い店連れてけよ」

って、気を使わせない約束を残し…
家まで送ってくれた。






その夜…


「ほんとはさ…
ずっと、咲陽に打ち明けたかった」

思いがけないマユキの一言。


「じゃあ…
なんで言ってくんなかったんだよ?」


「…咲陽まで苦しめたくなかった。

咲陽が親に、傷を話せないのと同じだよ」



アタシの為に…



その気持ちはすげー解るけど…
逆にキツイな。


親にも、こんなもどかしくて やるせない
思いをさせてたんだな。

マジ、ごめん…




だけどその気持ちは…

アタシを家族扱いしてるみたいで…



嬉しい。