Stray Love II 〜ナミダの軌跡〜

「この人は…彼氏?」

「…ん、この時は…」


母さんと一言のやりとりだけで、黙り込むみんな。



なんなんだ!この沈黙…


ナオん家から持って帰って、クローゼットに封印してたから…

マユキも、初めて見る写真に見入ってる。



「…この人がさ、
さっき話した"救ってくれた人"なんだ。

ほんとの成人式には参加しなかったアタシに、ナオが…
この人が成人式してくれたんだ…」

込み上げる想いを秘めて、そう呟くと…


親父が息を漏らして、口を開いた。

「なんだか悔しいな…」


「そうね…
私達も、ちゃんと準備してたのよ?」

母さんも親父に続けた。




え…



ナオの言葉を思い出した。


ー「成人式だって、ちゃんと準備してたと思う」

「振り袖はきっと、咲陽の両親が用意してるだろーから」ー



「ほんとに…
準備してたんだ…?」


「当たり前でしょ…
振り袖、見てみる?」