初めて親父に叩かれた。


4年前のあの日から、
ハツられる事に恐怖が残ってたけど…

親父のビンタは怖くなかった。


きっと、愛を感じたから。


痛かったと言えばそうだけど…

でも、痛くなかった。


申し訳ない気持ちで、
心の方が痛かったから。




「お前は…っ!!」

同じく裸足のまま、興奮気味に近づいてくる親父。


「あなたっ!落ち着いてっ!!」

「いーから、どけっ!」


母さんの静止を振り切って、親父がアタシの腕を掴んだ…

そして…



「…無事でよかった!!」




引き寄せられたアタシは、親父に抱きしめられてた。



「親父…っ!」

途端に、涙が溢れてきた…



その様子に母さんも「うっ…」と声を漏らし、口元を手で覆って泣き濡れた。

そして…


「おかえり、咲陽…!」




その言葉に、心が弾けた…



「…っただいま…っ、

ただいま親父…ただいま母さん…!」



溢れて、溢れて…

グシャグシャんなるくらいの涙で覆われた。