俺の気持ちはもう固まっていた。


いつの間にか、俺は、のっぽさんに気持ちが傾いていた。


あの胸の奥がチクチクなるのは、俺がのっぽさんのことが好きだからなんだ。


あんな気持ちになるのは本当に初めてで、平手打ちをされたと聞いて、のっぽさんを守りきれなかったと同時に、のっぽさんを守ってあげたいという気持ちになった。


のっぽさんに、また、謝罪をしなければならない。


その前に、有紗にちゃんと別れ話をしなければならない。


翌日、俺は、スマホを片手に有紗に電話をかけていた。


有紗は、すぐに出た。


「もしもし?宗輔?」


「あぁ」


「どうしたの?」


「話があるんだ。今日でも、明日でもいい。近々会ってもらえないか?」


「うん。今日空いてるよ」


「じゃあ、今日の15時頃に迎えに行くよ」


「わ、わかった」


「じゃあ、また後で」


有紗は、嬉しそうに話をしていたが、途中で何かを察したのか、声が変わった。