仕事も終わり、帰ろうとしたら、会社の玄関口に見覚えのある後ろ姿があった。
あの背の高さは、のっぽさんだな。
「のっぽさん?」
のっぽさんは、ピクッと肩が上がり、ゆっくり振り返った。
俺は不思議に思い、どうしてここにいるのかのっぽさんに聞いた。
「あ、あの〜き、昨日は失礼なことを言ってしまい本当に申し訳ありませんでした」
のっぽさんは、本当に申し訳なさそうな顔をしていた。
少しからかってみようと…
「あぁ、昨日のね…俺、あの後すごい凹んでさ、どうにかなっちゃいそうだったよ」
「え?本当ですか?いや、あの、本当にすいま…」
のっぽさんは、本気にしたようで、更に表情か暗くなった。
俺は、のっぽさんの困る顔が、可愛く思い、大笑いしてしまった。
「ぷっ…あははは」
すると、のっぽさんは、暗い顔から鳩が豆鉄砲を食らったような顔になった。
「いや、ご、ごめん。
大丈夫、全然気にしてないから」
「え?騙したんですか?もう…」
「あははは」
「でも、よかった怒ってなくて」
怒らないよな、あんなことぐらいで、逆に考えさせてもらえた。
俺も、のっぽさんに失礼なことばっかり言ってたからお互い様だと伝えた。
もしかして、このためだけにここに来たのか?
「もしかして、それを、言うためにわざわざ、来てくれたの?」
「はい。早く言わないとって、太田さんが、また図書館に来る保証もないし…」
「そうなんだ、気遣わしちゃったな…」
「いえ、私が悪いので…」
意外に律儀な人なんだな…
「電車で来たの?」
「はい」
「最寄り駅同じだから、一緒に帰ろうか?」
「あ、はい」
俺は、何故か一緒に帰ることを提案していた…

