私、太田さんから逃げてばっかりだな…
そう思いながら、待ち合わせ場所に向かう。
少し早めに着く予定だったのに、ギリギリに駅に着いた。
薗田さんは、もう既に到着していた。
「すみません。ギリギリになってしまって…」
「遅刻するより、断然いいですよ」
薗田さんは、優しく微笑んだ。
それから、薗田さんは駅から5分ぐらいで着く、とても高そうなフランス料理のお店に連れて行ってくれた。
コース料理で緊張していて、味がよくわからなかった。
更には、美味しいワインまで注文してくれた。
そんな食事の間でも、薗田さんとの会話の間でも、先ほどの太田さんに対する私の態度が気になって、申し訳なくてずっと太田さんのことを考えてしまった。
今度、会った時にちゃんと謝ろう。
怒っちゃったかな?
あんな酷いこと言ったもんな…
「瞳子さん?」
「あっ、はい」
「聞いてました?」
「あっ、ごめんなさい…ぼーっとしてしまって…」
「何かありましたか?」
「いいえ、大丈夫です」
食事も終わり、薗田さんは「女性に出してもらうわけにはいかないので、奢らせてください」と言われ、ご馳走になった。
「今日は、本当にありがとうございました」
「いえ、また次会ってくれますか?」
「あっ、はい」
「よかった。じゃあまた、連絡しますね」
「はい」
薗田さんとは駅で別れ、私は家路に着いた。

