月曜日からは、いつも以上に仕事に精を出した。
「大田どうした?頑張りすぎじゃないか?」
同期の松田航平(まつだこうへい)に言われた。
「そうか?月曜だからかな?」
と、流しておいた…
松田は、この会社に入ってからの仲だが、家柄、もちろん社長の息子だってことも知らない…
一番仲が良くても、この関係を壊したくない。
「なんかあったか?今日飲みにいく?」
「おっいいね」
仕事終わりに、松田と飲みに行くことになった。
会社の近くの居酒屋で、男二人ビールで乾杯した。
「今日は、いつも以上に仕事やり過ぎたんじゃないか?」
「仕事してないと、考え込んじまってさ」
「何をそんなに考えることが、あるんだよ…女か?」
「あぁ」
「珍しいな、大田が女で悩むなんて…」
「それがさ、自分でもわからないんだよな…」
「は?なんで?」
「いや、それが彼女、他に男がいるみたいなんだ」
「え?まじ?ヤバイじゃん」
「でも…」
「でも?」
「全く、嫌じゃないんだ」
「え?どういうことだよ、彼女が他に男がいるってことは、お前浮気されてるってことだろ?」
「うん…」
「彼女のこと好きじゃないんじゃないか?」
「そうかもしれない…」
「じゃあ、振ればいいんじゃねぇの?」
「それもそうなんだけど、松田、女の子振ったことある?」
「そらぁ俺でもあるよ…」
「俺さ、ないんだよな…」
「え?まじで言ってる?」
「おお。大マジ…
振られたり、自然消滅したり…
いつもそうやって別れてた」
「モテるやつは違うな…」
「振るのは可哀想だもんな…」
そう、俺は常に振られてきた。
告白されて振られる…
でも、周りからは、モテてるって言われる。
振られる原因はいつも同じようなことを言われる。
「宗輔といると退屈」「私のこと好き?」「冷たい」「どうして、家に行かせてくれないの?」
などなど…
これでも、モテてるんだろうか?

