祖父の体調の話や今後の会社の話、俺の昇進の話をした。


気がつくと1時間ぐらい経っていた。


見舞いに来た、幹部たち三人は帰って行った。


「瞳子、ごめんな」


「いえ。大丈夫です」


かなり待たせてしまった瞳子を病室に呼んだ。


瞳子は、小さな花を花瓶に入れてベッドの脇に置いた。


祖父は、先程会社の幹部が来ていた時とても厳しい顔をしていたが、瞳子顔を見ると満面の笑みになった。


年がいっても、若い女性を見るとこうも変わるんだな…


途中、元気そうな祖父を見て嬉し泣きをしている瞳子は、やっぱり心の優しい人なんだと実感した。


今日はたくさん人が来たから、祖父は少し疲れた様子だった。


そのため少し話をしたら、早めに病室を出た。


病室を出ると、瞳子が不思議そうにさっきのスーツの男たちは誰なのか聞いてきた。


さすがに威圧感があったか…


不思議に思って当然だ。


瞳子に会社の幹部だと伝えると納得していた。


祖父の体調も回復してきたし、二週間後ぐらいには退院できるらしい。


タイミングは今日しかないな…


「ちょっと話があるんだけど、いいかな?」


「…はい」