落ち着いたほうがいいか…
それにしても、急だな…
瞳子にプロポーズしよう…
父に言われたからではない。
付き合う時にはすでに結婚を意識していた。
俺はそのつもりで付き合っている。
ただ、瞳子にその気があるかだ。
こんな、年下の俺でもついて来てくれるか…
また、背の高さの話をするに決まっている。
早めに言おう。
瞳子と約束した時間帯に祖父の入院している病院へ向かう。
その途中に姉と宝を見かけた。
きっと、祖父の見舞いに行ったんだろう…
病室に向かうと、病室の前に瞳子がいた。
「瞳子?」
瞳子を驚かせてしまったのか、肩がビクッと上がった。
「宗輔さん」
「早かったんだね」
「はい」
「じいちゃん、目が覚めたんだ」
「さっき、美里さんに伺いました。本当によかったですね」
中に入らずにどうして廊下にいるのか聞いた。
中に数人スーツを着た人がいるらしい…
会社の幹部の人間だな…
今日、祖父の見舞いと引退する話を聞きに行くと言っていた。
確か、父も行くと言っていたんだが…
瞳子は人が沢山いるから、外で待つと言った。
中に入ると、父の姿はなかった。
どうやら、仕事が片付かなかったらしい。
三人の幹部たちは、俺が息子だと知っている人たちだった。