桃から生まれなかった桃太郎

「鬼をしっとるのか」

太郎はようやく口を開きました。

「おれは太郎。桃太郎じゃ。おまえは鬼をしっておるのか」

「そうあわてるな。おれはイヌと申す」

そうして、イヌは不思議そうに首をかしげました。