太郎は、その中に母の姿を見つけました。

母はひときわ小さく見えました。

小さな体を折り曲げ、鹿の肉をさばいていました。

鬼にさらわれた15のときから、

ずっとこうやって働かされ続けているのだろうと思うと、

早く自由にしてやりたいと気が急くのでした。