桃から生まれなかった桃太郎

優しい女の口からは、歌がもれていました。

太郎は立ち止まり木陰から女をみつめました。

女は、川で洗濯をしていました。

その姿はどこかなつかしく、見覚えのあるものでした。

太郎は、はっとしました。

その洗濯をする姿は、おばあさんによく似ていました。