「え〜?クメカさま、もうでていっちゃったの〜?」

ユラが、大きな声で言った。

「夜のうちに出て行ったよ…陛下によろしく伝えるよう、言付かりました…」

ロイズは、ダイニングテーブルで朝食を取っているフレイル陛下に向き直ると、クメカの言葉を伝えた。

さっきから…

なぜ陛下と同じテーブルに着いて、朝食を取っているのかロイズは不思議でならない…



翌朝…ロイズが目を覚ますと、なぜか王家が朝食を取るダイニングテーブルに通され、席に着くよう言われたのだった。

その席には、フレイルとフレア…それから、昨日から宮殿に泊まっている、ルドとイースとユラがテーブルを囲んで、ロイズを待ちかまえていた…



「…そうですか…門衛兵からも、報告を受けています…それよりロイズ、お体はもう本当に大丈夫ですか?」

フレイルは、心配そうにたずねた。

「はい、もうすっかり良くなりました…」

封印の解除と睡眠不足が重なったとはいえ、気を失ってしまった事をロイズは恥ずかしく思っていた。

「よかった〜すごくしんぱいしたのよ〜?」

フレアはホッとすると、ロイズに笑いかけた。